ああ、ソフトバンクよ!

2022年6月期のソフトバンクの(四半期)決算、史上最大の赤字額が話題になっています。3.2兆円の赤字!確かにすごいですね。

ここでは、それ見たことかと、したり顔でリスク管理の議論をするつもりは全くありません。

21年12月期(四半期)には1.9兆円もの黒字を計上し、IT関連を中心に多額の投資を行うビジョンファンドが大きな成果を上げていた時期からわずか1年あまりで、まさに天国と地獄の変化です。

ちなみにソフトバンクの親会社は、携帯電話のソフトバンクとは異なり、投資家から資金を集めて基本的に非公開のIT関連のベンチャーに投資するビジョンファンドがその中核になっています。サウジアラビアの皇太子も投資するビジョンファンドはその世界ではかなり有名ですが、それが株式会社として上場されているのも異質です。

ハイリスクハイリターンの原則から見れば、多額の利益と損失は表裏一体の関係です。誰もが利益だけを得て損失を回避しようと考えてきましたし、特に損失回避のためのさまざまなリスク管理手法は巷に溢れていますが、確実にワークするものはありません。

孫 正義さんという類まれな起業家と優秀なスタッフを抱えたソフトバンクがこのような経験を経るというのは一体どういうことなのでしょうか?

決算発表で、孫さんが、反省したとか「リストラ」するとか言った話は、残念に思います。ビジョンファンドが本当の意味で将来を見渡した素晴らしいファンドだったかどうかは、もう少し長い年月を経てみないとわかりません。ただ、その長い年月を待つための時間が与えられず、ファンドを早期に縮小したり閉鎖したりする可能性も今後の状況次第では出てくると思います。

リスクの大きい投資を行うときに重要なポイントは、確かにリスク管理なのですが、逆境の嵐の中を生き残れるかどうか、が極めて重要です。投資対象が大きなリターンを上げるのは、もしかすると10年後かも知れませんが、10年間マイナスのファンドを持ち続けることは容易なことではありません。 アマゾンはITバブルの後、なんとか生き残りましたが、ITバブル期の株価水準を回復するのに、15年以上かかりました。

なんとか生き残れる、そして遠い将来であっても期待された成果を上げることができる、ビジョンファンドがそういった対象に投資しているのであれば、現状を大きく悲観する必要はないでしょう。本当のバブルだったかどうかは、時間が経ってみないとわからない、のはその通りなので、企業、投資対象を厳しく選別する目だけは、いつの時代にも大切なもの、という当たり前のことを、強く考えさせられる出来事でした。

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